読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日本語ボランティア・教室に帰って来たヴェトナムの若者達

昨年の春から大挙して日本語教室にやって来ていたフィリピン人やベトナム人達が、秋になって、すっかり来なくなった。「最盛期」にははボランティアのスタッフが足りなくなり、私は一時、3人のベトナム人(レー君、チュン君、ドゥク君)に同時に日本語を教えていたのだが、彼らも顔を見せていなくなった。彼らは皆、近隣の建設会社で技能実習生として働いている労働者である。おそらく厳しい労働環境のため、日本語を学習する余裕が無くなってしまったのか、あるいは学習の意欲を無くしてしまったのだろうと思っていた。

しかし、今年5月になって、「ヴェトナム人3人組」が揃って教室に顔を見せてくれたのは大変うれしい。彼らは体つきも逞しくなり、日本語も上手になっていた。「漢字を勉強したい」という新たな目標も披露してくれた。彼らは私と会話をしながら熱心にノートを取り、ヴェトナム語で意味を書き添える作業を行っている。学習方法を自分なりに見つけたのだろう。

「絵カード」を見せて、日本語で説明をしてもらう学習法は複数の学習者相手の場合有効であると思う。

「これは何をしているところですか?」と私が質問する。

A「学校です。」

B「先生です。」

C「先生が学校で教えます。」

ABC「その漢字知ってます。」(絵の中で先生が黒板に書いている「林」という文字を指す)

私は「先生が学校で漢字を教えています」と言いながら、ノートに大きく文章を書き、三人に確認してもらう。さらに「林」から「木」や「森」、「松」なども学習。

漢字は総復習ドリル「小学1年のかん字」を使っている。「四月(がつ)から学校(がっこう)にいく」、「九ひきの犬がいる」といったように、漢字だけの学習ではなく、実際にどのように使われるかを学ぶようになっている。「犬」の書き順がメチャクチャなので、ノートに大きく書いて訂正する。

厳しい労働環境の中で日本語を勉強することは容易ではない。「どうか、日本を嫌いにならず、大好きになって母国に帰って下さいね」と思いながら彼らと会話している。